2022/8/18富士登山後半〜
5合目〜6合目までは20分で行けたのに、7合目までは50分かかった。
8合目に着いたと思いきや、次は元祖7合目と書いてあった。
7合目が2つあって心が折れる。
そしてその頃からキツくなってきた。
私達はよく休み、お菓子を食べ、水分を摂った。今の楽しみはお菓子を食べる事くらいだ
何人か、泣きながら登る子供を見た。
頑張れー!と思うが私も泣きたい。
最後は20歩進んでは休憩を繰り返し、7時間30分かけて9.5合目まで辿り着いた。
看板には頂上まであと30分と書いてある。
しかし、帰りのバスの時間が間に合わない。
少し悔しいが、9.5合目はほぼ頂上だと称え合い、下山する事にした。
下がってみると、さっきまでの登りの辛さとは違い、スイスイ足が動く。
先頭を歩いていたが、小走りで下っていくと、友達の姿が見えないくらい先へ進んでしまった。
40年間気づかなかったが、私は山を下るのが大得意のようだ。
今度から履歴書の特技欄には、山下りと書こう。
休憩所で、友達を待っていると、背の高い男の人とすれ違った。
一瞬でわかった。彼は俳優だ。
好きでも嫌いでもないが、お目にかかれてうれしい。
彼は慣れているのかとても速く颯爽と下っていった。
さて、私も下り始める。
すると好きでも嫌いでもない彼と並んで歩きたくなった。
一瞬でいい。デート気分を味わいたい。
私は走った。
砂利道を転びそうになりながらも踏ん張り、耐えて好きでも嫌いでもない彼と、とうとう横並びになった。
その瞬間、FRIDAYの記者に撮ってもらいたい。
人気俳優!山ガールと富士山デート
という見出して決まりだ。
一瞬デートが出来たので、気が済んだ。もう彼に用はない。
お別れだ。
好きでも嫌いでもない彼を抜かしたが、彼は追いかけてくる。
私に未練があるようだ。
どうか次の恋へと進んでいただきたい。
好きでも嫌いでもない彼を振り切り、一夏の恋が終わり、バス乗り場まで辿り着いた。
登りは7時間かかったのに、、下りは2時間半だった。
そして友達よりもだいぶ早く着いた事になる。
膝や足を痛めている友達を思いやる事もなく、好きでも嫌いでもない彼と一夏の恋を経験してきた自分を許してほしい。
府中に戻ってきたのは夜の8時だった。
感想は、もう懲り懲りだと思ったが、2.3日経つと、やっぱり頂上まで登りたかったなと諦めの悪い自分が出てきて嫌になる。
辞めればいいのに、いつかリベンジをしだすかもしれない。
完。
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